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ジュール・シュペルヴィエル『沖の少女』の新訳（2012） Jules SuperVielle : L’Enfant de la haute mer 大西洋のまっただなかで、消えたり現れたりする不思議な町。そこで一人、だれにも知られずに、雨戸を開け閉めや、布団を干したり、勉強に励んだり、太鼓を叩いたりして暮らしている少女。けなげで、愛くるしい彼女は、彼女自身はおろか、だれも知ることのない恐るべき運命に縛られ、逃れられずにいた。この海上の過酷極まりない世界で、彼女のことを気づかってくれるのは、大きな波だけ――。現実と夢想をやすやすと通過し、人間と物とのあいだに交感を創造する詩人シュペルヴィエル（1884-1960）の作品から、フランス短篇文学の珠玉「沖の少女」を新訳。装画は、史上、人物像が現れる最初の写真作品、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール《パリのテンプル通り》(1839頃)のダゲレオ・タイプ（銀版写真）。 結崎 剛＝翻訳・設計 葉書大アラベール12葉＋1枚、ビニール装＝仕様